串カツ田中ムック本は買い?FP&Aが「11%OFF」の裏にある事業戦略をガチ分析してみた

こんにちは、がありっくです。

​皆さん、揚げ物食べてますか?私は大好きです。

先日、あの「串カツ田中」からとんでもないムック本が発売されましたね。

​なんと、2026年1月末まで何度でも使える「飲食代金11%OFF」の優待券が付録なんです。

本体価格は1,100円。これ、単純にお得なのは間違いありませんが、せっかくなのでポンコツ経営企画部長なりに、FP&A的な視点で「この施策、田中HDにとって本当に美味しいの?」という部分をガチ試算してみたいと思います。

​子連れには神すぎる「串カツ田中」の魅力

​そもそも串カツ田中って、めちゃくちゃ子供に優しいんですよね。

  • たこ焼きセット無料(小学生以下)
  • ソフトクリーム無料(小学生以下)
  • 自分で作るポテトサラダチンチロリン(こども)

​などなど。我が家もよくお世話になっていますが、そこに「11%OFF」が加わると、もはや他のお店に行く理由がなくなってしまいます。

​ユーザー視点:損益分岐点は「10,000円」

​まず、エンドユーザーとしてのコスパを整理しましょう。

  • ​ムック本価格:1,100円
  • ​割引率:11%
  • 損益分岐点:1,100円 ÷ 0.11 = 10,000円

​つまり、来年1月までに合計10,000円以上の飲食をするなら、本代の元が取れる計算です。

家族4人で1回5,000円〜6,000円使うとすれば、2回行けば余裕でプラス。これは「買い」一択ですね。

​FP&A視点:串カツ田中HDへの事業影響を試算!

​さて、ここからが本題。経営企画的な視点で、この施策が企業側にどう影響するか分析してみます。

​1. 既存ヘビーユーザーによる「単価ダウン」のコスト

​一番のリスクは、放っておいても来てくれる「既存のヘビーユーザー」がこの本を持ってしまうことです。

​仮に、既存客の売上のうち一定数がこの優待券に切り替わった場合、その11%分がそのまま「収益の押し下げ要因」になります。

【想定試算】

  • ​対象となる既存売上:10億円
  • 単価下落によるインパクト:▲1.1億円

​何も対策をしなければ、1億円以上の利益が吹き飛ぶ計算です。これをどうリカバリーするかが鍵になります。

​2. 新規ユーザー獲得による「LTV」のリターン

​一方で、この施策の真の狙いは「新規・ライト層」の獲得です。1人のお客さんが将来にわたって生み出す利益(LTV)で考えてみましょう。

【LTVの前提試算】

  1. 1回あたりの利用単価:3,000円
  2. 売上総利益率(原価率30%と想定):70% → 利益 2,100円
  3. 優待期間中の来店回数:3回
  4. 優待終了後の継続率:30%(翌年も3回来店すると仮定)

​この前提で計算すると、1人の新規顧客がもたらす期待利益(LTV)は以下のようになります。

  • ​期間中利益:2,100円 × 3回 = 6,300円
  • ​期間後利益(期待値):6,300円 × 30% = 1,890円
  • 合計LTV:約8,190円

​※簡略化のため、割引コストや販促費は一旦横に置いています。

​3. 何人の新規ユーザーが取れれば「成功」か?

​既存客への値引き損失(1.1億円)を、この新規顧客の利益でカバーするとすると……

  • 1.1億円 ÷ 8,190円 ≒ 約13,400人

​つまり、このムック本を通じて約1.3万人以上の新規ファンを獲得できれば、既存客へのバラマキによる損失をカバーし、それ以降は利益が積み上がる「先行投資」として成功と言えるわけです。

​結論:マーケティングの「販路」がすべて

​この施策が「ただの安売り」に終わるか「神の一手」になるかは、ムック本がどこで販売され、誰の目に留まるかにかかっています。

  • 店舗レジ横での販売:主に既存客が買うため、値引きコストだけが膨らむリスク。
  • 一般書店やコンビニ、WEB広告:未利用層に「11%OFFなら行ってみよう」と思わせる強力なフック。

​「11%」という、大手チェーンとしてはかなり攻めた割引率。これが未利用層への強力なインセンティブとして機能すれば、LTVの観点から見て非常に理にかなった施策になります。

​皆さんもこのムック本を片手に、田中HDの戦略に思いを馳せながら串カツを頬張ってみてはいかがでしょうか?(私はそうします笑)