財務会計と管理会計、何が違う?FP&A経験者が教える「生きた数字」を意思決定に使うコツ

こんにちは、がありっくです!
今日は、ビジネスの世界では避けて通れない、でも意外と正しく理解されていない「会計」の話をしようと思います。
「会計」と聞くと、なんだか小難しくて数字の羅列をイメージしてしまいますよね。
でも実は、会計の本質は皆さんが普段つけている「家計簿」と全く同じなんです。
- P/L(損益計算書): 今月はいくら稼いで、いくら使った?(収支)
- B/S(貸借対照表): 今、貯金(資産)やローン(負債)はいくらある?
- C/F(キャッシュフロー): 結局、今手元にある現金はどう動いた?
会社経営も、基本はこの3つの視点で数字を整理することから始まります。
私はFP&A(経営企画・財務分析)として長年実務で数字と向き合ってきましたが、実はこの「整理した数字を誰に見せるか」で、会計には2つの異なる顔があることを知っておく必要があります。
それが「財務会計」と「管理会計」です。この違いを肌感覚で理解できているかどうかが、ビジネスで「使える数字」を出せるかどうかの分かれ道になります。
財務会計は「履歴書」、管理会計は「健康診断」
よく「会計」と一括りにされますが、その目的と使う人を整理すると、驚くほど役割が違います。
1. 財務会計(外部向けの「履歴書」)
主な役割は、投資家や銀行、税務署といった「会社の外の人」に、自分たちの経営状態を正しく報告することです。
- 目的: 利害関係者への報告
- ルール: 法律や会計基準(ガチガチの共通ルール)
- 時間軸: 「過去」の答え合わせ
- 例えるなら: 就職活動で出す「履歴書」です。誰が見ても同じ基準で評価できるように書かなければなりません。
2. 管理会計(内部向けの「健康診断」)
一方で管理会計は、経営者や現場のリーダーといった「社内の人」が、次のアクションを決めるために使います。
- 目的: 社内の意思決定(未来をどうするか)
- ルール: 自由!(自分たちが一番使いやすい形でOK)
- 時間軸: 「未来」のシミュレーション
- 例えるなら: 毎日測る「健康診断の結果」や「トレーニング記録」です。自分を良く見せる必要はなく、どこが悪いのか、どうすれば改善できるのかを分析するためのツールです。
管理会計で現状を把握したあと、具体的にどう目標(KPI)に落とし込むかについては、下記の記事が参考になります。
経営企画のための「KPI設定」のポイントと具体的手法
【重要】自由だからこそ守るべき「財管一致」のルール
管理会計は「社内ルールで自由にしていい」とお話ししましたが、実は一つだけ絶対に守らなければならない掟があります。それが「財管一致(ざいかんいっち)」です。
自由でいいからといって、管理会計で使う数字を勝手な推測だけで作ってはいけません。元となる数字は、必ず外部報告用の「財務会計」の数字と整合性が取れている必要があります。
最終的には財務会計(PL)と数字が合っていないと、意思決定の根拠そのものが崩れてしまうからです。
実務で必要な「最低限の会計知識」
「自由」を使いこなすためには、実は財務会計の基礎体力が欠かせません。
- 財務諸表のつながり: P/LとB/Sはどう連動しているか?
- コスト認識のタイミング: キャッシュは動いていなくても、今月の「費用」として計上すべきものは何か?(期間按分の考え方など)
これらを無視して「お金の出入り」だけで未来を予測しようとすると、実務では手痛いしっぺ返しを食らうことになります。
FP&Aとして伝えたい「実務」のリアル
管理会計には「公認会計士」のような国家資格がありません。それは、「教科書通りの正解」が会社によって全く違うからです。
よく「会計の知識はどれくらい必要ですか?」と聞かれますが、私の感覚では「日商簿記3級レベルは必須、2級レベルがあると実務がかなりスムーズになる」というレベル感です。
実は、私自身は簿記の資格を持っていません。それでもプロとしてやってこれたのは、資格という「形」ではなく、実務に必要な「知識」を徹底的に身につけてきたからです。
ただし、もし皆さんが「これから転職してこの道でキャリアを積みたい」と考えているなら、資格を取っておくことは大賛成です。なぜなら、簿記の資格は「私は最低限の土台(共通言語)を持っています」ということを証明する、一番手っ取り早いパスポートになるからです。
まずは「体系的」に頭を整理しよう
これから管理会計を学びたい、あるいは実務で壁に当たっているという方に、私がおすすめしたい一冊があります。
私はFP&Aとして長く経験を積んできましたが、転職を機に改めて自分の知識を体系立てて整理したくて手にとった本です。実務を経験した後だからこそ「そうそう、これが大事なんだよ」と頷けるポイントが多く、図解も豊富で初心者の方にも非常に分かりやすく書かれています。
最後に
「会計」は過去を記録するためだけのものではなく、未来を切り開くための強力な武器になります。
特に管理会計の視点を持つと、目の前の仕事がどう会社の利益につながっているのかがクリアに見えるようになり、仕事の楽しさがガラッと変わりますよ。
まずは家計簿感覚で、自分の財布の「数字」を眺めることから始めてみませんか?
また、こうした管理会計の知識を武器に、未経験から経営企画・FP&Aへのキャリアを考えている方は、採用官の視点をまとめた記事も合わせて読んでみてください。
100人面接して分かった!未経験から経営企画・FP&Aに採用される人、されない人の決定的な差
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!







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